「ブリタニー・メイナード」のケース
(2014.11.19)

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3.安楽死と自殺幇助の違い

まず、「安楽死」と「自殺幇助」の違いについて明確にしておきます。日本においては、両者とも許容されていないものです。

【安楽死】;行為自体として、他人が関与

 安楽死は、行為の主体として他人が関与し、自分自身ではもはや実行することのできなくなった患者に、身体的侵害によって直接死をもたらすことです。

  •  ①積極的安楽死;患者の命を終わらせる目的で「何かをすること」
  •  ②消極的安楽死;患者の命を終わらせる目的で「何かをしないこと」
【自殺幇助】;患者本人が関与する

自殺幇助とは「自殺の意図をもつものに、有形・無形の便宜を提供することによって、その意図を実現させること」です。日本では、倫理的にも法的にも許容されませんが、オランダや米国のオレゴン州などでは合法とされています。
安楽死が、行為主体として他人が関与するのに対して、自殺幇助は、その時点で意思能力のある患者本人が関与します。患者は、例えば処方された薬物、あるいは毒物、あるいは他の行為によって自分の命を絶ちます。
自殺幇助において、その意図するところは患者を死にいたらしめることです。もしある患者が自殺に失敗したとしたら、幇助に関わった医師や関係者は、‘本人の意思を貫徹させてあげなければならない’と感じてしまうでしょう。このように自殺幇助は、安楽死に向かっていく可能性があります。